はじめに
爽やかな風が吹き、
野山の緑がいっそう深まる頃。
二十四節気では「立夏(りっか)」
を迎えます。
立夏は暦の上で夏の始まりを告げる
節目ですが、
まだ真夏のような暑さではなく、
一年の中でもっとも心地よい
季節の風が吹く頃です。
昔の人々は、
この季節の変わり目を敏感に感じ取り、
風を迎え、山の緑を愛でながら、
立夏ならではの習わしを
大切にしてきました。
この記事では、
立夏の特徴や風習、
三つの候(七十二候)に加えて、
この時期に気をつけたい心身ケア
ついて紹介しています。
この時期は爽やかな気候の反面、
心身ケアが必要となるケースが
多くなります。
心身ケアについては、
私自身の経験を交えて紹介しています。
最後まで読んで頂き心身共に爽やかな
立夏をお過ごしください。

立夏とは
●夏が“立ち上がる”季節
立夏は、毎年5月5日頃に訪れる
二十四節気のひとつです。
2026年の立夏は
5月5日(火)です。
「夏が立つ」と書くように、
この日から暦の上では夏が始まり、
立秋の前日までが夏とされます。
●立夏の特徴
一年で最も爽やかな風が吹く
晴天が続き、外出に最適です。
日差しが強まり、初夏の気配が漂う
やがて「走り梅雨」へ移り変わる
春の名残と夏の気配が混ざり合う、
季節のグラデーションが美しい時期です。
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●立夏とホトトギス
立夏の頃、
日本には南方からホトトギスが
渡ってきます。
古今和歌集にも、
「ホトトギスの声が田植えを促すようだ」
と詠まれているほど、
季節の象徴として親しまれてきました。
ホトトギスの声が聞こえると、
「今年も夏が始まるな」と感じる人も
多いでしょう。
*ホトトギス
昔から短歌や俳句には、
立夏の頃に咲く橘や卯の花と合わせて
ホトトギスを読んだものが多くあります。
ホトトギスは、南方で冬を越して、
立夏の頃に日本に渡来する渡り鳥です。
「古今和歌集」には、
その鳴き声が「田植えを促す」ようだと
詠んだ歌があるように、
ホトトギスが戻ってくるこの時期から
田植えや種まきが始まります。

立夏の習わし
●夏を迎える“風”を感じる
立夏の頃、
野山は瑞々しい新緑に包まれます。
昔の人は、
夏の山を「山滴る(やましたたる)」
と呼び、
生命力あふれる緑の姿を讃えました。
また、古代中国の自然哲学では、
南風(夏を運ぶ風)を迎えると心が潤い、
活力が湧くと考えられていました。
そのため立夏の日には、
・赤い衣服を身につける
・南の野に出て風を迎える
・自然に触れて心身を整える
といった習わしが行われてきました。
立夏は、若さと美を象徴する季節です。
ゆっくり地面に立ち、
自然の風を感じるだけで、
心がふっと軽くなるのを感じます。
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●六日の菖蒲(あやめ)
端午の節句で使われる菖蒲は、
立夏の頃には“縁起物”ではなく、
ただの植物に戻ってしまいます。
そこから生まれた言葉が 「六日の菖蒲」。
時期に遅れて役に立たないことの
たとえです。
季節の行事は
「その時期に行うことに意味がある」
そんな日本人の感性が表れています。

立夏の三つの候
●七十二候で味わう季節の変化
初候:
蛙始鳴(かわずはじめてなく)
5月5日頃〜5月9日頃
蛙が鳴き始める頃。
水田では蛙が活発に泳ぎ、
田植えの準備が進みます。
短歌や俳句でも季語として
親しまれています。

次候:
蚯蚓出(みみずいずる)
5月10日頃〜5月14日頃
みみずが地上に出てくる頃。
畑の土をほぐし、
豊かな土壌をつくる大切な存在です。

末候:
竹笋生(たけのこしょうず)
5月15日頃〜5月19日頃
たけのこが地表に顔を出す頃。
日本原産の真竹はこの時期に伸び始め、
5〜6月に旬を迎えます。

立夏は“五月病”が出やすい時期
立夏の頃は、ゴールデンウイーク明け。
「仕事や学校に行きたくないな…」と
感じたことが何度もありました。
新年度の緊張が解け、疲れが出やすい時期。
ここでは、私の経験も交えながら、
五月病の予防と対策をまとめます。
① 生活リズムの乱れを整える
*注意点
・GWで生活リズムが崩れやすい
・気分の落ち込みにつながることも
*対策
・予定を詰め込みすぎない
・起床・就寝時間を一定に
・朝日を浴びて体内時計を整える
② 孤立を避け、軽い交流を続ける
*注意点
・新しい環境の反動で
人間関係の疲れが出やすい
*対策
・気の合う人と短時間でも交流する
・無理に関係を広げなくていい
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③ 軽い運動でストレスを解消
*注意
・ストレスが溜まっても気づきにくい
*対策
・ヨガなどのリラックス法
・10〜15分の散歩
・ストレッチや深呼吸
④ 目標を小さく分けて負担を軽減
*注意点
・「頑張らなきゃ」が強い人ほど
五月病になりやすい
*対策
・大きな目標より
“今日できる小さな行動”
・できたことをメモして
達成感を積み重ねる

立夏の気候で気をつけたいこと
① 急な暑さによる“初夏バテ”
*注意点
・気温が急上昇し、
体が暑さに慣れていない
・だるさ、頭痛、食欲不振が出やすい
*対策
・朝晩の散歩で体を慣らす
・水分+塩分補給
・温かい飲み物で胃腸を整える
② 気圧変動による体調不良
*注意点
・晴れと雨が交互に訪れ、
気圧が乱れやすい
*対策
・朝のストレッチ
・天気が崩れそうな日は早めに休む
・カフェインの摂りすぎに注意
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③ 害虫の増加
*注意点
・蚊やハチが活発になる
*対策
・ハチの巣は専門業者へ
・薄手の長袖
・虫よけスプレー
・水たまりをなくす
④ 朝夕の寒暖差
*注意点
・昼は暑いのに朝夜は冷える
・体温調節が難しい
*対策
・薄手の羽織りを持ち歩く
・寝具を春→夏へ段階的に調整
・ぬるめの湯船で体温を整える

おわりに
立夏は、自然の変化をもっとも
心地よく感じられる季節です。
昔から人々の暮らしに寄り添い、
季節のリズムを教えてくれる節目です。
習わしや季節の言葉を知ることで、
日々の生活がより豊かに、
そして自然とのつながりを
深く味わえるようになります。
気候の変わり目ならではの
注意点にも気を配りながら、
初夏の訪れをゆっくり
楽しんでみてください。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
参考書籍:
・株式会社神宮館発行
暮らしのしきたり十二か月
・株式会社マイナビ出版発行
季節の行事と日本のしきたり辞典ミニ
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