はじめに
春の雨がしっとりと大地を潤し、
草木が静かに息を吹き返す頃。
二十四節気では 「穀雨(こくう)」
を迎えます。
この時期は、
田畑にとって恵みの雨が降り注ぐように、
私たちの暮らしにも
新しい芽が育ち始める季節です。
卒業、入学、転勤、入社…。
さまざまな「はじまり」に立つ方へ、
穀雨の季節に寄せて、
私の経験をもとに
エールとアドバイスを送ります。
最後まで読んで頂き明日からの
指針にして頂ければ幸いです。

穀雨とは
●春の雨が“未来の実り”を育てる頃
穀雨は、毎年4月20日頃 に訪れる
二十四節気の一つです。
2026年の穀雨は
4月20日(月)です。
穀雨には、
「 穀物の成長を助ける恵みの雨が降る時期 」
という意味があります。
気温が安定し、初夏の気配が近づき
桜が散る頃です。
春の名残を惜しむ細かな雨が
しとしと降る日が増え
穀雨が終わる頃には「八十八夜」を迎え、
本格的な初夏の入り口へと移っていきます。
●穀雨の頃に咲く花と“春の女神”
古くから、穀雨の頃に咲く花には
「春の恵みをもたらす女神が宿る」
といわれてきました。
玄関やリビングに花を一輪飾るだけで、
季節の運気がふわりと流れ込み、
気持ちが明るくなるのを感じます。
●穀雨は“家庭菜園のスタート”にも最適
穀雨は、
夏野菜の苗を植えるのに
ぴったりの時期です。
プランターでも育てやすい野菜が多く、
ベランダ菜園にも向いています。
※プランターで育てられる夏野菜
・トマト
・ナス
・ピーマン
・シシトウ
・オクラ
・キュウリ
などです。
6月〜9月頃には収穫が楽しめます。
「育てる → 食べる」という小さな循環は、
暮らしに季節のリズムを運んでくれます。
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穀雨と春祭り
●種まきと豊作を祈る季節
穀雨は、
農家にとって “種まきの始まり” の時期です。
田植えに向けて、稲の「種モミ」※1をまき、
苗を育てる「苗代(なわしろ)」※2づくりが
始まります。
※1・種モミ
米作りの「種」として
使われるお米のことです。
通常のお米と見た目は似ていますが、
食べるためではなく、
発芽させて苗を育てるためのものです。
※2・苗代
稲の苗を育てる場所のことです。
水に浸した種モミをまき、
稲の苗が植え付け可能な大きさまで
育てる水田のことです。
この時期、全国の神社では
農作業の安全と五穀豊穣を祈る春祭り
が行われます。
**代表的な春祭り**
・千万町神楽【愛知県岡崎市】
千万町(ぜまんじょ)の神楽は、岡崎市千万
町町の八剱(やつるぎ)神社で行われる祭礼で、
毎年4月、豊作と悪魔祓いの願いを込めて神楽
が奉納されます。
・間々田のじゃがまいた 【栃木県小山市】
小山市の間々田八幡宮にて、
江戸時代から続く奇祭「じゃがまいた」が
毎年5月5日に行われます。
じゃがまいたは、田植えの時期を前にして
五穀豊穣と疫病退散を祈願する伝統行事で、
およそ400年ほど前に
始まったとされています。
農林水産省・農村の伝統祭事より引用

穀雨の三つの候
七十二候では次の三つに分かれます。
初候:
葭始生(あしはじめてしょうず)
4月20日頃〜4月24日頃
・水辺の葭(あし)が芽吹き始める頃。
・夏には背を伸ばし、
秋には黄金色の穂を揺らします。
静かな水辺に、春の息吹が満ちていきます。

次候:
霜止出苗(しもやみてなえいずる)
4月25日頃〜4月30日頃
・霜が降りなくなり、
苗代で稲の苗がすくすく育つ頃。
・霜は穀物の大敵。
その心配がなくなることで、
農作業が本格化します。

末候:
牡丹華(ぼたんはなさく)
5月1日頃〜5月5日頃
・牡丹が大輪の花を咲かせる頃。
・豪華で艶やかな牡丹は「百花の王」と呼ばれ、
春のフィナーレを華やかに彩ります。

*春の雨の名前*
春雨(はるさめ):しとしと静かに降る雨
春時雨(はるしぐれ):降ったりやんだりの小雨
菜種梅雨(なたねづゆ):菜の花の頃の長雨
催花雨(さいかう):花の開花を促す雨
雨の名前を知ると、
外の景色が少し違って見えてきます。
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新しい門出を迎えた方へ
穀雨の頃は、新入学・入社から
約3週間が過ぎる頃です。
この時期は緊張がほぐれ、
疲れが出やすい時期です。
環境が変わると、
不安や戸惑いが生まれるのは
自然なことです。
それはあなたの“成長の芽” が
顔を出しているサインでもあります。
でも今は、
・完璧を目指さなくていいのです。
・深呼吸して、
自分のペースで進めて行きましょう。
・小さな一歩を確実に積み重ねましょう。
雨のあとに芽吹く緑のように、
あなたの可能性も静かに育っていきます。

穀雨の頃、仕事・学びで注意したいこと
穀雨は、自然の変化が心身に
影響しやすい時期です。
ここでは、働く人・学ぶ人に向けて、
“季節のリズムに合わせた過ごし方”を
私の経験をもとにまとめました。
気圧の変化で集中力が落ちやすい
・雨が増えることで気圧が不安定になり、
頭がぼんやりすることがあります。
・集中力が続かない日があります。
・やる気が出にくい
といった“春のだるさ”が出やすくなります。
*対策
・毎朝軽めのストレッチを行う。
・短時間に集中し、短い休憩をとる。
・重要な作業は可能な限り午前中に行う。
「今日は雨だからペースを落とそう」
こんな柔軟な気持ちが、
穀雨には合っています。
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花粉・黄砂で体調が乱れやすい
・ヒノキ花粉のピークに加え、
黄砂やPM2.5も増える頃で、
頭痛、不快感など体調が
乱れやすい時期です。
*対策
・換気+空気清浄機で室内環境を整える。
・マスクを着用し、
外出後は衣服の花粉等を払う。
・デスク周りをこまめに掃除する。
「環境を整える」ことが
集中力につながります。
季節の変わり目で睡眠が乱れやすい
・朝晩と日中の温度差や、
春から初夏へ移ることにより
体内リズムが乱れがちになります。
*対策
・就寝前のスマホ利用時間を短くする。
・寝具を秋冬物から春夏物に入れ替える。
・できる限り朝の光を浴び
体内時計を整える。
「よく眠る」ことは、
仕事も学びも驚くほど整います。

新しい生活を頑張りすぎない
・穀雨は自然界では“種まきの時期”で、
仕事や学びの習慣づくりにも
向いていますが、
無理をしすぎて最初から負荷を
かけがちになります。
*対策
・1日の学習をまずは短時間から始める。
・仕事の改善はまずは1つだけに手をつける。
・完璧を求めないで、
“継続”できることを優先する。
「小さな種をまく」ように、
ゆっくり育てていきましょう。
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書類・デジタル機器の管理に注意
・湿度が上がり始める頃で、
湿気による紙や電子機器に
影響が出やすくなります。
*対策
・書類は湿気の少ない場所で保管する。
・PC・タブレット等の電子機器の結露に注意する。
・劣化しやすい資料は早めにデジタル化をする。
「梅雨前の軽い整理」で、仕事や学びの効率を
大きく上げることが可能です。

おわりに
穀雨の雨は、
やがて実りをもたらす雨です。
今はまだ見えない未来も、
あなたの歩みの先で必ず花開きます。
どうか、自分のペースで進んでください。
春の雨音に耳を澄ませながら、
新しい一歩を大切に育てていきましょう。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
参考書籍:
株式会社講談社発行
日本人なら知っておきたい
しきたり大全
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